第5回目は神話です。
【 わかりやすい日本の神話 】🍀
著 者/出雲井 晶氏( いづもい あき )氏
昔むかし、そのまた昔の大昔、高天原( たかまのはら )にはまだ何も無く、何も見えない、ただ薄暗いもやもやとした所が広くひろく、続いていました。その高天原に、天之御中主神( あめのみなかぬしのかみ )様・高御産巣日神( たかみむすびのかみ )様・神産巣日神( かみむすびのかみ )様 が御姿を現され、天と地の境を造られました。高御産巣日神様も神産巣日神様も、天之御中主神様と一つになって宇宙の全ての物を生み出す為に、天之御中主神様が御姿を変えられた神様です。そこに、十二柱( じゅうにはしら )の神様 が御生まれになり、その神様方を御供に天地を美しく整えられ、神様方が喜びあい輪になって踊っていると、その輪の中に 伊耶那岐神( いざなぎのかみ )様・伊耶那美神( いざなみのかみ )様 という、御夫婦の神様が御生まれになられました。
この話は、大宇宙の始まりの話 ですが、読んでいると不思議な気持ちになります。
国生み・神生みの話 では、伊耶那美神様と御子様の 火之迦具土神( ひのかぐつちのかみ )様 が、亡くなられてしまうのが残念ですが、伊耶那岐神様・伊耶那美神様が、大八島国( おおやしまのくに/日本の大昔の名前 )を造り固められ、大勢の御子様を御生みになり、皆で大八島国を整えられる場面は、楽しく温かで素晴らしい景色が浮かんできます。
国生み
神生み
その後、伊耶那岐神様が 筑紫( つくし )の日向( ひむか )の橘( たちばな )の小門( おど )の阿波岐原( あわぎはら )という場所で、禊( みそぎ )をされている時、杖や道中着や身体から 十四柱の神様 が御生まれになり、最後に左の目を洗い、右の目を洗い、鼻を漱がれると、三柱の神様 が御生まれになられました。その時、天から声が降ってきて、
「 左の目を洗った時に御生まれになった女神は 天照大神( あまてらすおおみかみ )と申され、日の化身、太陽そのものの貴い方です。天上にある神の世界、高天原を、そして昼の国を治めるように。天照大神の次に生まれた御子は 月読命( つくよみのみこと )と申し、月の様に清々しい( すがすがしい )方です。月の神となり、日の神とともに高天原にあって夜の国を守るように。鼻を漱いだ時に生まれた三番目の御子は、海のしぶきの様な猛々しい立派な方です。建速須佐之男命( たけはやすさのおのみこと )という名を授けましょう。海を治めなさい 」
と仰せられ、伊耶那岐神様は天からの言葉を伝えました。こうして、天照大神様・月読命様・健速須佐之男命様が御生まれになられたのです。
天照大神様・月読命様・健速須佐之男命様御誕生
※ 禊とは、身体に罪または穢れ( けがれ )がある時や、重要な神事を行う前等に、川や海で身体を洗い清めることです。
天照大神様の子孫の、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命( あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと )様の天降りの話 は、皆様よく御存知のこととは思いますが、邇邇芸命様が 筑紫の日向の高千穂の気高く美しい山 に降り立たれた時に、添えられていた三つの宝の、八尺瓊勾珠( やさかにのまがたま )・八咫鏡( やたのかがみ )・草那芸之剣( くさなぎのつるぎ )は、天照大神様が、
「 この鏡は、私の 御魂( みたま )として、私を拝するつもりで祀りなさい。この神鏡に照らして、神の御心を心として国を治めなさい 」
と、邇邇芸命様に仰せられ授けられた宝です。
この三つの宝は 三種の神器( さんしゅのじんぎ )と呼ばれ、今も天皇陛下が 御位( みくらい )におつきになる時、その、みしるし( 天皇の印 )として代々受け継がれています。
邇邇芸命様の天降り
日本神話にはこの他に、須佐之男命様の八俣大蛇( やまたのおろち )退治の話 や、大国主命( おおくにぬしのみこと )様と因幡( いなば )の白兎の話、海幸と山幸の話、等色々ありますが、天之御中主神様方による天地の創造に始まり、地球ができ、大八島国( 日本の国 )が誕生して、そこに日の神である天照大神様の子孫の邇邇芸命様が天降られ、その子孫の 神倭伊波礼毘古命( かむやまといわれびこのみこと )様 が第一代の日本の天皇陛下、神武天皇陛下 であることが語られています。
この著作は、令和天皇殿下の御成婚奉祝記念に発行された物です。ひらがなの表記が多いので、子供にも読める著作です🇯🇵
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日本の国を守って戴いている神様方、国民の幸せ、世界の平和を願っておられる天皇陛下・皇后陛下・皇室の方々に、感謝したいと思います。
Sakuya ☯️
わかりやすい日本の神話
著 者/出雲井 晶( いずもい あき )氏
発 行/平成五年六月九日 第一刷
発行所/展転社