足の痛み entry12

 第12回目はデータファイルの御紹介です。

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足痛
 足の痛みにはだれしも時々悩まされます。痛みの原因の多くは、ぴったりと合わない靴や足の使い過ぎ・水疱、あるいはほかの一時的な病気などです。肥満や腱膜瘤(けんまくりゅう)などの構造的異常も足の痛みの原因となります。
 突然生じる急性の足の痛みの多くは、過労・捻挫・脱臼、または骨折などの障害が原因です。ある種の循環器系の疾患によっても足の痛みが生じます。これらは特に、歩いたり走ったりしたあとに起こります。ほとんどの足の痛みは深刻な病気ではなく、自然に治るものも多いですが、重大な健康上の問題を知らせる兆候であることもあります。

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足の痛みは、足の腱やこれを取り巻く線維鞘(せんいしょう)の障害あるいは炎症が原因で起こることが多いようです。


足の痛みの原因
関節炎
 変形性関節炎および関節リウマチは最もよくみられるリウマチ性疾患で、炎症の結果、足指の関節に強い痛みを生じることがあります。これらの疾患にかかった関節は触ると痛く、また温かく、赤く腫れます。通風は現代の日本で次第に増えている関節炎の種類ですが母趾を痛めることが多く、通常、急性の炎症と耐え難い痛みを突然に生じます。これらの関節炎は慢性に経過する場合もあれば、期間をおいて症状が断続的に現れる場合もあります。

バージャー病
 バージャー病は、血管に炎症が起こった結果小中動脈の閉塞が生じる疾患で、通常下肢に起こります。喫煙者に発生することが多く、非喫煙者ではまれな病気です。足の甲に断続的な痛みがあり、運動時に特に痛みます。足指に痛みのある潰瘍ができることもあります。

腱膜瘤(けんまくりゅう/外反母趾
 腱膜瘤は母趾のつけ根または横側の変形で、炎症やむくみが生じ隆起がみられます。この疾患は男性よりも女性に多くみられます。原因は遺伝的なものと考えられていますが、ハイヒールや先のとがった靴を履くとつま先が不自然な形に靴の中に押し込められ、症状が悪化します。

うおのめとたこ
 うおのめは皮膚の外側の層の肥厚や隆起で、通常足指の関節など骨の上の部分にみられます。たこも皮膚の肥厚の結果できるもので、圧迫や刺激が繰り返されることにより生じ、通常足の裏にみられます。一般に、うおのめの方がたこより触ると痛みます。

踵骨棘(しょうこつきょく)
 踵骨棘はかかとの組織内に硬い骨が成長してできたもので、痛みがあり歩行が困難になります。疼痛と圧痛を足の裏、踵骨下に感じます。痛みの原因は主に踵組織への圧迫と損傷で、これらにより足の靱帯に炎症や石灰沈着が生じます。

感染症
 足は感染症にかかりやすく、循環器系に異常がある場合は特にその心配があります。たとえば、糖尿病の人は下肢の虚血・末梢神経障害・感染防御機構異常が組合わさって、足に感染症を発症するリスクが高くなります。たこの下に感染症が生じ進行するまで気付かないことがありますが、これは糖尿病患者にとっては特に深刻な状態です。みずむしを始めとする真菌感染は、足が温かく湿気が十分なため発生しやすいのです。足を細部まで清潔にすることが、足の感染症の予防と治療には欠かせません。


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スポーツ専用の靴は足の痛みを最小限におさえるのに役立ちます。


モートン神経腫(趾間神経痛)
 母趾球に疼痛や圧痛を感じる部分がある場合、モートン神経腫とよばれる腫瘍がある場合があります。モートン神経腫とは足指に向かう神経上に発生する良性の腫瘍です。痛みは、ぴりぴりまたは焼けるような感じになることがあり、母趾球にビー球か小石が入ったように感じることもあります。

シーバー病
(踵骨骨端症/しょうこつこったんしょう)
 シーバー病(踵骨骨端症)は思春期の成長期によくみられます。痛みの中心はかかとで、最終的に硬くなってかかとの骨を形成する軟骨の炎症が原因です。痛みは数か月続きますが、いずれかかとの骨が融合して一つになると消えます。

いぼ
 足底いぼは、足の裏の皮膚の外層にウイルスが原因でできます。歩くと痛み、通常、医師の治療が必要になります。皮膚科医や足専門医がいぼを取り除く治療には、皮をむき、レーザー手術・電気焼灼・腐食剤の塗布など多くの種類があります。


足の痛みについてのアドバイス
靴は必ず足に合ったものを履く。
ハイヒールや先のとがった靴は足指の並びを悪くするので、毎日履く靴は、ヒールが低くつま先が足の形に合ったものを選ぶ。
扁平足の人は、特別な土踏まずの支えも必要。
足や体重を支えるほかの構造に過度の緊張をかけないために、理想体重を維持する。
公共のスイミングプールやジムなどみずむしに感染する可能性のあるところではだしで歩く場合は、格別な注意を払う。
糖尿病の人、特に足指の爪を切るなどの足のケアを自分でするのが困難な人は、定期的に足の専門家のケアを受ける。
痛風のある人は予防治療について医師と相談する。
カロリーの高い食べ物や豆類、アルコールは発作を誘発することが多いため、食べ過ぎないようにする。



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