最高時速110㎞/entry70

第 70 回目は《 データファイル/動物 》の御紹介です🍀

 

 

【 すばらしき野生の王国 】

 

 

 チータ 陸生哺乳類

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短距離走では誰にも負けない

    世界最速の陸上動物

 

 流線型で、すらっとした体つきをしたチーターは、すぐれた短距離ランナーです。いっきょに加速する驚くべきスピードは、どんな陸の動物にも負けることがありません。チーターは、外見も動きも、他のどの大型ネコ科の動物とも似ていません。ほかに例をみない長い体と4本の足で、グレイハウンドのようにすばやく走ることができます。チーターは、また、別の意味でイヌにも似ています。例えば足のかぎづめは、先がとがっておらず、引っ込めることができません。また、イヌのように吠えます。チーターの大半はアフリカの広大な草原や半砂漠地帯に住んでいます。ごくわずかながらアジアに生き残っているものもいます。

 

 

🌍 白昼の俊足ハンター

 チーターがねらうのはノウサギ、猟鳥類、ガゼル、レイヨウ類などです。かれらは昼間、単独または一族の群れで狩りをします。近距離まで獲物に忍び寄ったのち、20~30秒間の最後の全力疾走で信じがたいほど加速し、そのスピードは時速110㎞を超えることもあります。獲物に追いつくと、フックのような前足のおおかみ爪( 直接地面に触れないところに生えている爪 )ですばやく切りつけ、片方の足で獲物をとらえて引きたおします。最後は獲物の喉にがぶりと噛みついて窒息死させます。狩りの技術はすぐれていますが、ごちそうを失うこともしばしばあります。疾走後、体力を回復させるためひと休みしていると、ハイエナのように死肉をあさる動物や、ときとしてライオンなどがやってきます。チーターはこのような競争相手にとてもかなわず、獲物を守りきることができないのです。

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チーターは最高時速110㎞ものスピードで駆けます。

 

 

🌍 攻撃の的になりやすい子供たち

 チーターは1年を通じて繁殖し、メスは2歳くらいで最初の交尾をします。妊娠期間は90~95日で、まだ目の見えない小さな子供が、一度に最大で6頭生まれます。子供はきわめて肉食動物の餌食になりやすいです。赤ちゃんの毛は長く、灰色をしていますが、これは草むらの中ではカムフラージュとなります。また、捕食者たちを寄せつけないよう、獰猛なラーテル( 英名Honey Badger )の毛色に似せたのだともいわれています。それでも、他の大型のネコ科の動物やハイエナの餌食になる子供は多いのです。子供は約1年半、母親とともに暮らし、狩りを学びます。再び繁殖期をむかえると、メスはいよいよ子離れします。同腹のきょうだい同士はふつう、さらに数か月間はいっしょに暮らします。

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チーターは1万年前に頭数が大幅に減少したため、遺伝的に近親交配の状態にあります。

 

 

🌍 孤独なメス。オスには兄弟のきずな

 チーターの社会はちょっと変わっています。子供のいないメスは独りぼっちで暮らすことが多く、これに対して、オスは同腹の兄弟と生涯にわたってきずなをたもつことがよくあります。単独で暮らすものは、オス、メスいずれにせよ、ふつうは他人のなわばりをおかすことなく、1,500平方㎞もの地域をさすらいます。オスだけのグループは、生活圏がこれよりもはるかに狭く、なわばり意識が強くなりがちです。チーターは唸り声をあげたり咆哮( ほうこう )したりはせず、鳥のようなチュンチュンいう音をたてます。イエネコと同じように、怒るとフーッという音を出し、うれしいときはのどをゴロゴロ鳴らします。また、キャンキャンという、遠くまで届くかん高い声をたてたり、吠えたりします。

 

 

🌍 チーターを絶滅から救おう

 生息環境の破壊、獲物の減少、近親交配による種の弱体化などによって、チーターの数は減少しつつあります。アジアでは、60頭足らずが生息しているだけです。アフリカ全体でも、約1万2000頭にすぎません。ナミビアでは保護されていますが、多くは農地に住んでるため、家畜を殺さないよう、生け捕りにされたり銃でうたれたりしています。1990年代初めからチーター保護基金が、アフリカのチーターとその生息環境の長期保護のために、活動を続けています。2001年にはイランで、アジアチーターを絶滅から救うための計画が始められました。

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チーターはいつもサファリ客に人気があります。しかし保護を熱心にしなければ、このような光景はすぐに過去のものとなるでしょう。

 

 

チータ( Cheetah )

分 類/食肉目

科 名/ネコ科

属 名/チーター属

学 名/Acinonyx jubatus

 

 チーターの多くは東アフリカとアフリカ南部に見られ、最も数が多いのはナミビアです。アジアチーターは、イランだけに見られ、ほとんどがカビール砂漠の周緑部にいますが、存続が非常に危ぶまれています。

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生息域/半砂漠

   /草原

 

生息状況/危急種

行動単位/単独( あるいは、つがい )

体 長/1.1~1.5m

尾 長/60~80㎝

肩 高/71~80㎝

性成熟年数/20~24か月

繁殖時期/通年

妊娠期間/90~95日

1回の出産数/1~8頭、通常2~4頭

繁殖間隔/16~18か月

主な食べ物/小型のレイヨウ類、ガゼル、ノウサギ、猟鳥類

寿 命/12~14年

 

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小さな頭

小さな頭が空気の抵抗を少なくします。目から鼻にかけて走る黒い「 涙状線 」が、斑点のある他のネコ科動物との区別をきわだたせています。

低位置にある肩甲骨

肩甲骨が低位置にあるため、前足を大きく前に伸ばすことができます。

とても長くてしなやかな背骨

この背骨のおかげで、最大8mもの大きな歩幅で走ることができるのです。

スピードを出すのに適した体

 チーターは、体のどの部分もスピードを出すようにつくられています。心臓、肺、肝臓から鼻孔にいたるまで、とても大きく、最も効率よく空気を取り込み、エネルギーの発生が最大限にできるようになっています。

尾は体のバランスを取り、風を切る方向舵の働きをし、獲物を追いかける時、急角度で方向転換できるようになっています。

走るときも露出したままの爪

この爪と、うね状に盛り上がった足裏の肉球が地面をしっかりとつかむので、高速で走れるのです。

 

チーターの仲間たち

 チーターはネコ科ではありますが、独自の属をなします。最も近いのは、おそらくヒョウ( leopardライオン( lion )でしょう。5つの亜種があり、うち4種がアフリカに、1種がアジアにいます。砂漠地帯に住むチーターは、ふつう小さめで、色がやや薄いです。ジンバブエのキングチーター( king cheetah )は突然変異とされます。首の毛が長めで、毛皮についている黒い大きな斑点はぶちネコの模様に似ています。

 

神話? それとも実話?

 かつてヨーロッパを含む3つの大陸で当たり前に生息していたチーターは、走るスピードが速く、姿が美しく、すぐれた狩猟能力をもつことから崇拝されています。古代エジプト人はチーターの姿をしたネコの女神マフデットを崇拝し、古代エジプトの王ファラオはチーターを飼いならしていたとされています。

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ネコの女神マフデット

 

 

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 実に格好の良い生き物ですね。ですが、鳴き声はチュンチュンという音をたてたり、キャンキャンというかん高い声だったり、可愛らしいです。

  Sakuya ☯️

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( データは2003年頃のものです )

 

 

 

 

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